Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate
「親分」
豪雨の中の両国橋の上、雨明りの中にわずかに動く人影はたった一つ、そのヒョロ長いのを、平次の感は八五郎と見て取りました。
「皆んなはどうした」
「橋番所に頼んで雨宿りしていますよ。でも一人は橋の上で見張っていなきゃ、親分が来ても見当がつかないだろうと思って」
それで八五郎は、臍まで濡れて橋の上に立っているのでした。
「間抜けだなア、橋の上にだれもいなきゃァ、橋番小屋でも辻雪隠でも覗いて見るよ」
そういう平次も、八五郎の馬鹿正直さがうれしくないことはない様子です。
「これから何処へ行きゃ宜いんでしょう、親分」
「何処でも宜い、おれについて来い」
「ヘッ、欄干に耳だ――おおい、皆んな出て来い」
八五郎が大きな声をすると、橋番小屋に雨宿りをしていた仲間が、惜し気もなく大雨の中へ出て来ました。湯島の吉に金太、巳之助、それに平次の着物を着た若松。
「お、好い心持だ」
雨に洗われて負惜しみをいっております。
「相手は手剛いぞ、宜いか」
「何んの、親分が一緒なら」
八五郎は橋板を踏み鳴らします。そこから相生町五丁目へ、平次を始め五人の者は、真に雷獣かなどのように飛びました。