Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate
当藩中において取計らいたいから、町方のお指図は御遠慮願いたい――とこうだ」
「畜生ッ」
後ろの方で、こんな無体な弥次を飛ばしたのは、我慢のなり兼ねた八五郎でした。
「八、気をつけろ」
「ヘエ」
平次に叱られると、八五郎は月代を押えてそっと舌を出します。
笹野新三郎は素知らぬ顔で話を続けました。階級制度のうるさい当時でも、八丁堀の旦那衆には、まことに解った人が多かったのです。
「相手は六十二万石の大藩だ。こっちで彼れこれ申す筋合いではないので、仰せの通りかしこまって引下がるほかはない」
「それで」
「一万両の小判は、当組屋敷の門内で、尾州家の使者に渡すことになった。せっかくお前を呼びにやったがこの儘引下ってもらうほかはない。御苦労であった」
笹野新三郎は心持頭を下げるのです。
「とんでもない、お言葉では反って恐れ入ります。ところで、明日私は当組屋敷の門前で、尾州の御家来に一万両の小判を引渡すのに立合ったものでございましょうか」
平次は静かに訊ねるのでした。
「左様」
「それとも蔭ながら一万両の行方を見護ったもので御座いましょうか」
「無用だな平次」
「ヘエ」
「尾州様御留守居、せっかくの申し入れだ、向うの面目を立てるのが第一だろう。