Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate
平次出動
「平次が参ったというのか、それは丁度宜い」
笹野新三郎はホッとした様子です。大橋要人、津田孫太郎、鈴木倉之進の三人に絡みつかれて、ひどく弱っているところだったのです。
「お引合せ申す。これはおうわさの平次でござる」
椽側に膝を突いた平次を新三郎は遠く指さしました。
「これはこれは御高名な銭形殿か。始めて御意を得申す、拙者は尾州の藩中、大橋要人」
「拙者は津田孫太郎」
「拙者は――」
といった調子、三人の武家は座布団を滑って、一介の岡っ引を迎えるのでした。
銭形殿――といわれると、平次の後ろに坐った八五郎は、思わずプッと吹き出して、平次に肘で小突かれました。が、後ろをにらんだ平次の眼は、間違いもなく笑っております。
「とんだ御災難だそうで、御心配なことでございましょう」
平次はさり気なく応じました。
「そのことでお願いがあるのだよ、平次殿」
「ヘエ」
「唯今も笹野殿に無理を申したが、笹野殿は――尾州家蔵屋敷の門を入った金は、もはや町方に掛り合いはない――といわれる。が相手は姿を見せぬ泥棒では、弓馬槍剣で立ち向うわけにも参らず、全く閉口いたしたのじゃ、何んと平次殿」