Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate
「子供の悪戯ではないか。凧を椎の木に引っかけて引きちぎったので糸だけ残ったのであろう」
「梅雨過ぎの凧は変じゃございませんか」
「左様」
大橋要人は唸ります。実際江戸の年中行事は、今日のように出鱈目なものではなく、三月過ぎ五月、六月になって街の子が凧をあげるなどということは、全く考えられないことだったのです。
「これは曲者の仲間が、御門番の眼を盗んで、外から椎の木の枝に小石の錘をつけた糸を投げかけ、糸の端を塀の中へ垂らして置いたのでございます」
「――」
「昨夜二枚の手札を使って裏門から入った最初の二人の曲者は、その手札を凧の糸の端にブラ下げて塀を投げ越し、外にいる二人に渡したのでございましょう。それを四度くり返すと、二枚の手札で八人の者が御門を入れます」
「――」
平次の明智に服したか、大橋要人は黙ってしまいました。
「御門内から投って、外の者に渡してもよいわけですが、檜のよく枯れた札で、投れば塀外の砂利に落ちて、大きい澄んだ音を立てます。それに四方は真っ暗で、一つ見当を間違えると、手札は水へ落ちないものでもありません」
「なるほどそこまでは気がつかなかった。