Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ぜにがたへいじとりものひかえ

銭形平次捕物控

野村 胡堂

Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate

Aozora Bunko

「?」

「お銀さんはこの間から銭形の親分にあいたいって口癖のようにいってたでしょう」

「それは聴いた」

「女の口から――鉄漿はつけているけれど――あの人まだ二十二になったばかりよ。その若い女の口から、平次親分に岡惚れしたっていうのは、よくよくじゃありませんか」

「?」

八五郎はつままれたような心持です。口を開いたり、塞いだり。瞬きをしたり、鼻をかんだり。

「岡惚れどころじゃない、大熱々のコンコンチキよ。畜生ッ、どうしてくれよう」

「あ痛、おれをつねったって始まるまい」

「だからさ、じれったいねえ、――仲人は宵のうちっていうじゃありませんか。銭形の親分をここへつれて来れば、八五郎親分なんかにはもう用事御座いませんとさ。この辺で消えてなくならなきゃ犬に食われて死んでしまえ――と怒っちゃいけませんよ。お銀さんは腹の中でそう思っているに違いない」

お楽の操縦はまことに見事です。

「やいやい、何をいやがる。銭形の親分はな、行きずり後家なんかに手を出すような、そんな人柄じゃねえんだぞ。見損ないやがったか、野郎ッ」

八五郎は急にいきり立ちました、浅間な家の中で、ここから平次のいる部屋へは、つつ抜けに響きますが、そんなことに遠慮するような八五郎ではありません。