Classici giapponesi con furigana
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ぜにがたへいじとりものひかえ
銭形平次捕物控
野村 胡堂
Leggi 銭形平次捕物控 (ぜにがたへいじとりものひかえ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 157.440 caratteri · 313 schermate
石原の利助――それは曽て銭形の平次と張り合った御用聞の古顔ですが、身体を悪くしてからは気も心も挫けて、娘のお品が、出戻りの若い身空で多勢の配下を率い、銭形平次を唯一つの後ろ盾として、兎も角も十手捕縄を預っているのでした。
「あ、銭形の親分」
お品は平次の顔を見ると、ホッとした顔で迎えました。まだ二十四、五、充分若くも美しくもあるが、女だてらに岡っ引の真似事をして、女御用聞とかなんとかいわれながら、父親の代りに十手一梃の名を恥かしめずにいる気性者だったのです。
「利助親分はいけないんだってね。さぞ気をもんでいるだろうが、俺が精一杯働いてみせるから安心するようにと、そういってくれ」
「有難うございます、銭形の親分」
平次にそういわれると、女御用聞のお品もツイ涙ぐむのです。
家の中に入ると、掛り同心と町役人が引揚げた後で、お里の死骸の前に、小僧の定吉が、しょんぼり見守っているだけ。
「小僧さん、重ね重ねで気の毒だね」
「あ、銭形の親分さん」
定吉は平次の顔を見ると、驚いて立ち上がりましたが、この前父親が殺された時、あんなに取乱して泣いたのに、今度は思いのほか落ちついて、何んとなく死骸に対して冷たい嫌悪と、何にかしら子供らしい恐怖をさえ感じている様子です。