Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
かぎからぬけだしたおんな
鍵から抜け出した女
海野 十三
Leggi 鍵から抜け出した女 (かぎからぬけだしたおんな) di 海野 十三 (うんのじゅうざ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.188 caratteri · 43 schermate
尼僧なんかどこかへ振り落してしまったようであった。
「よくそんな格好で帰って来たねえ」
「ホホホホ、これ貴方の洋服よ。こんどはあたしが貴方のを借りちまったわ。しかし実に大変だったのよ。これが無かったら、あたしうまく脱出できたかどうか疑問だわ。つまり、こうなのよ。――あたし序に、貴方の仇敵もとってきたわよ」
「ええッ。――それは何のこと?」
彼女は冷い炭酸水を摂りながら、意外なる出来ごとについて、僕に話して聞かせるのだった。――
それによると、あの森虎造という男は、僕の亡き父準之介を殺した悪人だということだった。僕は今まで、父が米国で脳溢血で斃れたこととばかり思っていたが、そうではなくて、森虎造、通称ハルピン虎のために殺害されたという。そのわけは、ハルピン虎がその地で或る重大な悪事を犯しているところを、領事である亡父準之介に見られたため、理不尽にも執務中の父を薄刃の短剣で背後から刺し殺したのだった。同時にその部屋に父が秘蔵した例の貼り交ぜ細工の小函を値打のあるものと思い、鍵もろとも奪って逃げたのだった。
あまりにも敏速な犯罪のために、亡父殺しの犯人は分らなかったばかりか、或る国際事情のため、領事が暗殺されたことを発表しかねたので、駆けつけた副領事の計いで、即時死因を脳溢血とし一般に知れわたることを防いだ。