Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

かぎ

鍵

谷崎 潤一郎

Leggi 鍵 (かぎ) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 102.182 caratteri · 200 schermate

Aozora Bunko

と云う。でも病人は鼾を掻いていたはずだが、と云うと、「その鼾ごえがぱったり止んでいました」と云う。そして敏子は「旦那様としばらく話をなすってからもう一度二階へ上り、またすぐ下りておいでになった、そのあとで小池さんが銭湯から戻って来られました」と云う。でも、夕刻私が帰って来た時には病人の鼾ごえが聞えていたのに、と云うと、「奥さんのお留守中は止んでいて、お帰りになる少し前からまた始まっていたのです」と云う。―――

どうやら私の疑心暗鬼が当っており、思い過しが思い過しでなかったことが分りかけて来たのであるが、それでも私にはまだ腑に落ちかねることがあった。ここで一往敏子の今日の行動を順に並べてみると、―――午後三時、口実を設けて私を外へ出してしまう。次に小池さんを風呂へ行かせる。次に病人が自ら眼を覚まして敏子に告げたか、敏子から病人に働きかけたか、そこのところは不明であるが、彼女は私の日記帳が茶の間の用箪笥に入れてあることを知り、それを捜し出して病人の枕元へ持って来る。病人が、この帳面は四月十六日で終っているが、十七日以後の分も必ずどこかに秘してあるに違いない、己が読みたいのはその方であるから捜してくれと云う。