Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まぶたのはは

長谷川伸傑作選 瞼の母

長谷川 伸

Leggi 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) di 長谷川 伸 (はせがわしん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 94.753 caratteri · 192 schermate

Aozora Bunko

高太郎 うむ、あれか。あの二人がこの高山へ入ってくる時、宮峠で水を飲むとて女の方が笠をとったそうだ、茂平がそれを見たんだそうだ。高山にもあんないい女は無かろうといっていたよ。

作蔵  そうかも知れない、顔は見ないがいい姿をしてるからね。

百松  さすがの大番頭さんも、女がいいので相好を崩したというのかね。

作蔵  なあに唄だよ。あの女の悲しい節だよ、聞いてるとつい涙っぽくなるあの唄に、おやじ感に入ってにっこりしたのさ。あの唄は恰度この高山の秋だね。ここの秋は短い、もう直ぐに冬がくる。

高太郎 秋といえば今年は栗の出来がいいそうだ。

作蔵  大番頭さんの聞いた唄の文句は、何とかいった、そうそう。さらばという間に森の蔭、かすかに見えるは菅の笠さ。

高太郎 哀れっぽい文句だね。

作蔵  どうせ江戸からでも流れて来た人達だろう。

百松  江戸か。江戸といえばここから七十八里、しかも難渋な嶮岨な路だ。そんな遠いところから山坂を越して来た人達かねえ。

高太郎 いずれは色恋の末だろう、よくある奴さあ。

百松、高太郎は樽を担いで去る。

作蔵も樽を担ごうとする。

亀久橋の文太郎(三十八、九歳)女房お松と通りかかる。