Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まぶたのはは

長谷川伸傑作選 瞼の母

長谷川 伸

Leggi 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) di 長谷川 伸 (はせがわしん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 94.753 caratteri · 192 schermate

Aozora Bunko

忠太郎 別れて永え永え年月を、別ッ個に暮してくると、こんなにまで双方の心に開きが出来るものか。親の心子知らずとは、よく人がいう奴だが、俺にゃその諺が逆様で、これ程慕う子の心が、親の心には通じねえのだ。

おはま 忠太郎さん。

忠太郎 何でござんす。

おはま もしあたしが母親だといったら、お前さんどうおしだ。

忠太郎 それを聞いてどうするんでござんす。あっしには判っている。おかみさんは今穏かに暮しているのが楽しいのだ。その穏かさ楽しさに、水も油も差して貰いたくねえ――そうなんだ判ってらあ。小三十年も前のことあ、とうに忘れた夢なんだろう。(立去る気になり)親といい、子というものは、こんな風でいいものか。(百両を役に立たぬ物として扱い、懐中する)

廊下に帳場与兵衛、板前善三郎、洗い方藤八、得物を隠し持って忍び寄る。

おはま それ程よく得心しているのなら、強って親子といわないで、早く帰っておくれでないか。

忠太郎 近い者ほど可愛くて、遠く放れりゃ疎くなるのが人情なのか。

おはま だれにしても女親は我が子を思わずにいるものかね。だがねえ、我が子にもよりけりだ――忠太郎さん、お前さんも親を尋ねるのなら、何故堅気になっていないのだえ。