Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まぶたのはは

長谷川伸傑作選 瞼の母

長谷川 伸

Leggi 長谷川伸傑作選 瞼の母 (まぶたのはは) di 長谷川 伸 (はせがわしん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 94.753 caratteri · 192 schermate

Aozora Bunko

忠太郎 おかみさん。そのお指図は辞退すらあ。親に放れた小僧ッ子がグレたを叱るは少し無理。堅気になるのは遅蒔きでござんす。ヤクザ渡世の古沼へ足も脛まで突ッ込んで、洗ったってもう落ちッこねえ旅にん癖がついてしまって、何の今更堅気になれよう。よし、堅気で辛抱したとて、喜んでくれる人でもあることか裸一貫たった一人じゃござんせんか。ハハハハ。儘よ。身の置きどころは六十余州の、どこといって決まりのねえ空の下を飛んで歩く旅にんに逆戻り、股旅草鞋を直ぐにも穿こうか。(廊下の者が物に触れる、聞きつけて)だれだッ。(障子を開ける)

善三郎 (与兵衛、藤八等と共に尻込む)

忠太郎 手前達に聞かせる話じゃねえ。失せろ。行かねえか。(障子を閉める)

善三郎 (与兵衛と囁く。藤八を呼んで囁きつつ、三人共に去る)

忠太郎 長え間のお邪魔でござんした。それじゃおかみさんご機嫌よう、二度と忠太郎は参りやしません――愚痴をいうじゃねえけれど、夫婦は二世、親子は一世と、だれが云い出したか、身に沁みらあ。

おはま 忠太郎さんお待ち。

忠太郎 (耳にも入れず、廊下へ出て)おかみさんにゃ娘さんがあるらしいが、一と目逢いてえ――それも愚痴か。