Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いんじゅう

陰獣

江戸川 乱歩

Leggi 陰獣 (いんじゅう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.968 caratteri · 131 schermate

Aozora Bunko

春泥はきっと、六郎氏が小梅の碁友達の家を辞して、帰途吾妻橋を通りかかった折、彼を汽船発着所の暗がりへ連れ込み、そこで兇行を演じ、死体を河中へ投棄したものに相違ない。時間の点から云っても、春泥が浅草辺にうろうろしていたという本田の言葉から推しても、いや現に彼は六郎氏の殺害を予告さえしていたのだから、下手人が春泥であることに、疑を挟む余地はないのだ。だが、それにしても、六郎氏は何故真裸体になっていたのか、又変な鬘などを冠っていたのか、若しそれも春泥の仕業であったとすれば、彼は何故その様な途方もない真似をしなければならなかったのか。洵に不思議と云う外はなかった。

私は折を見て、静子と私丈けが知っている秘密について相談する為に、「ちょっと」と云って、彼女に別室へ来て貰った。静子はそれを待っていた様に、一座の人に会釈すると、急いで私のあとに従って来たが、人目がなくなると、「先生」と小声で叫んで、いきなり私にすがりつき、じっと私の胸の辺を見つめていたかと思うと、長いまつげが、ギラギラと光って、まぶたの間がふくれ上ったと見るまに、それがやがて大きな水の玉になって、青白い頬の上を、ツルッ、ツルッと流れるのだ。