Classici giapponesi con furigana
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エス・オー・エス・ボーイ
難船小僧
夢野 久作
Leggi 難船小僧 (エス・オー・エス・ボーイ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.169 caratteri · 43 schermate
今にも「オホホホ」と笑い出しそうな人形じみた小僧の、変態的な愛嬌顔と向い合っているよりも、機関室の連中の真黒な、猛獣面と睨み合っている方が、ドレ位気が楽だか知れないと思って……。
ところが機関室に帰ってみると船員の伊那少年に対する憎しみが……否、恐怖が、予想外に酷いのに驚いた。船長が是非ともあの小僧を乗組ませると云うんならこっちでも量見がある……というので大変な鼻息だ。水夫連中は沖へ出次第に小僧を餌にして鱶を釣ると云っているそうだし、機関室の連中は汽鑵に突込んで石炭の足しにするんだと云ってフウフウ云っている。海員なんてものはコンナ事になると妙に調子付いて面白半分にドンナ無茶でも遣りかねないから困るがね。現に水夫の中でも兄い分の「向う疵の兼」がわざわざ鉄梯子を降りて、俺に談判を捻じ込んで来た位だ。
「向う疵の兼」というのは恐ろしい出歯だから一名「出歯兼」ともいう。クリクリ坊主の額が脳天から二つに割れて、又喰付き合った創痕が、眉の間へグッと切れ込んでいるんだ。そいつが出刃包丁を啣えた女の生首の刺青の上に、俺達の太股ぐらいある真黒な腕を組んで、俺の寝台にドッカリと腰を卸して出ッ歯をグッと剥き出したもんだ。