Classici giapponesi con furigana
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エス・オー・エス・ボーイ
難船小僧
夢野 久作
Leggi 難船小僧 (エス・オー・エス・ボーイ) di 夢野 久作 (ゆめのきゅうさく) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.169 caratteri · 43 schermate
スキーの感じとソックリだね。高い高い波の横っ腹に引き残して来る推進器の泡をジイッと振り返っていると、七千噸の船体が千噸ぐらいにしか感じられなくなって来る。
……と思ううちに、やがて谷底へ落ち付いた一刹那、次の波の横っ腹に艦首を突込んでドンイイインと七噸から十噸ぐらいの波に艦首の甲板をタタキ付けられる。グーンと沈んで甲板をザアザアザアと洗われながら次の大山脈のドテッ腹へ潜り込む。何しろ船脚がギッシリと重いのだから一度、大きな波にたたかれると容易に浮き上らない。船室という船室の窓が、青い、水族館みたいな波の底の光線に鎖されたまま、堅板や、内竜骨が、水圧でもって……キイッ……キイッ……キシキシキシキシと鳴るのを聞いていると、それだけの水圧を勘定に入れた、材料強弱の公式一点張りで出来上っている船体だとわかり切っていても決していい心持ちはしない。そのうちにヤット波の絶頂まで登り詰めてホットしたと思う束の間に、又もスクリュウを一シキリ空転さして、潮煙を捲立てながら、文字通り千仭の谷底へ真逆落しだ。これを一日のうちに何千回か何万回か繰返すと、機関室の寝床にジッと寝転んでいても、ヘトヘトに疲れて来る。