Classici giapponesi con furigana
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らいほうとうものがたり
雷峯塔物語
田中 貢太郎
Leggi 雷峯塔物語 (らいほうとうものがたり) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.606 caratteri · 45 schermate
「法海禅師は、この寺へいらしたことはないのです」
許宣は力を落して帰った。そして長橋の下まで来た。許宣はそれからどうしていいか判らなかった。彼は湖水の水に眼を注けた。俺が一人死んでしまえば何人にも迷惑をかけないですむと思いだした。彼の眼の前には暗い淋しい世界があった。彼はいきなり欄干に足をかけて飛びこもうとした。と、後ろから声をかける者があった。
「堂々たる男子が、何故生を軽んじる、事情があるなら商量にあずかろうじゃないか」
法海禅師が背に衣鉢を負い手に禅杖を提げて立っていた。許宣はその傍へ飛んで往った。
「どうか私の一命を救うてくださいまし」
「では、またあの※(「薛/子」、第3水準1-47-55)畜が纏わってきたとみえるな、どこにおる」
「姐の夫の李幕事の家に来ております」
「よし、では、この鉢盂をあげるから、これを知らさずに持って往って、いきなりその女の頭へかぶせて、力一ぱいに押しつけるが宜い、どんなことがあっても、手をゆるめてはならない、わしは、今、後から往く」
許宣は禅師から鉢盂をもらって李幕事の家へ帰った。李幕事の家の一室では白娘子が何か言って罵っていた。