Classici giapponesi con furigana
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せいどうのキリスト
青銅の基督
長与 善郎
Leggi 青銅の基督 (せいどうのキリスト) di 長与 善郎 (ながよよしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.703 caratteri · 133 schermate
「こんな無細工なものだからどうせ少ししか売れやしませんが。」
「君が造ったんですか。」
「いいえ、みんなで造ったんです。僕の母や姉や近所の人たちで。」
裕佐はうつむいて、黙り込んだ。
「このごろでは始終造花を売っておられるんですか。」彼は突拍子もなくこんなことをきいた。
「いいえ。――今日だけです。今夜は――」と青年は声を低めて「降誕祭ですから。」
「降誕祭。――今夜がですか。」
「ほんとうは今夜ではありません。明後日です。」彼はあたりを見ながらいった。「――けれどもほんとうの当日には詮索がきびしいからかりに今夜ひそかな御祝祭をするんです――よかったら来てごらんなさいませんか。」
裕佐はあかくなった。偶然にも吉三郎というこの青年も自分もともに町へ売り物に行き、そしてともに若干の金をふところにしている。「しかし自分のは女を買わんがための金であり、吉三郎のは聖なる人の誕生を祝し、それを記念せんためのひめやかな集まりを飾ろうとしての金子である。むろんおれには切支丹とならない立派な理由があるのだ。そしておれがあの女を『買う』というのも、それにはいやでも応でも金銭が必要とされる不快な事情からで、決していわゆる遊蕩ではない。