Classici giapponesi con furigana
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せいどうのキリスト
青銅の基督
長与 善郎
Leggi 青銅の基督 (せいどうのキリスト) di 長与 善郎 (ながよよしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 66.703 caratteri · 133 schermate
そうしてそこに落ちていた吉三郎の黒い頭巾をすぽりとかぶると、裕佐は再び風の吹きしきる表へ飛び出して行った。
ある勇気とも興味ともつかない気持ちが心地よく裕佐を身ぶるいさせていた。彼は太い棒切れを握り身をこごめ気味にしてその家の周囲をすみずみまで探り探り二回りすると、藁束の上に身をひそめに腰をかけた。もう大丈夫だ。ここなら見つかりっこない、と彼は思った。かつ二人の密偵が見当ちがいの場所をいかにも「犬」らしく捜し回って疳癪を起こしているさまを想像すると彼はおかしかった。が、ふと星明りに人の形のように思えば思えるものを納屋のわきに認めたような気がした。彼が石を拾ってそれにぶつけると、コンという音がした。それは重ねた空き樽だった。
彼はハッとして、しまったと思ったが、あとはまた静かになり、風だけが時々サワサワと聞こえた。かなりの時間が無事に過ぎた。彼は少し退屈になったので再び上がり口の方に戻ってくると、細目に扉をあけた。
「しかしながら皆さん。」長老の説教はまだおわっていなかった。「私たちの尊い先輩が造り、今またこのわたしたちが現に造りつつある日本の切支丹の事蹟は、決して単に日本一国の史上においてのみの異彩のある光ではありません。