Classici giapponesi con furigana
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あおひげにひゃくはちじゅうさんにんのつま
青髯二百八十三人の妻
久生 十蘭
Leggi 青髯二百八十三人の妻 (あおひげにひゃくはちじゅうさんにんのつま) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.736 caratteri · 28 schermate
戦前でも、人間の片脚や胴体が、一と月に一つや二つはセーヌ河に浮きあがるのはめずらしいことではなかったが、治安のゆるんだ戦中だといっても、四年の間に三百人の失踪者はなんとしても多すぎる。どうも異常だとガッファロも考えていた。
ジャンヌの捜査願が人事部から捜査局にまわってきた。ガッファロが眼をとおしてみると、クゥシェ夫人の失踪になにかの関係があったと思われているレーモンド・デァールという男の人相にそっくりである。レーモンド・デァールとラウール・デュポンとアンドレ・シャルクロァは、ひょっとすると同一人物かもしれないと考えられるので、ガムベェへ部員をやって、三月の末まで「エルミタージュ」を見張らせたが、ラウール・デュポンなる人物はとうとう現われて来なかった。
復活祭も近づいた四月一日のよく晴れた午後、ジャンヌ・ラコストが宝石商や婦人服屋が並んでいるリュウ・ド・ヴォリの歩道を歩いていると、ついそばの店から二十七八の美しい婦人を連れたアンドレ・シャルクロァが出てきて、ゆっくりとコンコルドの広場のほうへ行った。
「たしかにこのひとだった」
と、ジャンヌはつぶやき、ひと時、呆然と二人のあとを見送っていた。