Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.621 caratteri · 25 schermate
「三年も惚れあってようやく一緒になった大切な亭主。かばいだてするのは無理もないところだが、それではかえってためにならない。あなたがいくら隠したってこっちにゃアちゃんとわかっている。……ねえ、お静さん、あなたは弥之助から無事に生きているから心配するなという手紙を受けとったでしょう」
お静は、えッと息をひいたが、すぐさり気ないようすになって、
「なにかと思ったらくだらない。聞いていれば、さっきから妙に気障な話ばかり。……貰えるものなら冥土からでも、便りをもらいたいぐらいに思っていますが、死んだひとが手紙を書こうわけもなし……」
顎十郎は笑い出して、
「冥土からとどくわけのない手紙を見て、いそいそとここへやって来なすったのはどういうわけ。……こいつア、すこし理屈にあわねえようだ」
と言って、真顔になり、
「……遠島船のホマチといって、島流人の親兄弟にたのまれて、米味噌やら金子やら、御船手役人の眼を盗んでそっと島々の囚人におくりとどけ、また御法度の文づかいをして双方から莫大な礼をとる。これが露顕すれば船頭一同は百たたきの上、ながの遠島、女房子供は江戸かまえ。……そういう弱味につけこまれて、心ならずも伏鐘一味のいうことをきくようになったのだろうが、それにしちゃアやりかたがすこし派手すぎた。