Classici giapponesi con furigana
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しょくま
食魔
岡本 かの子
Leggi 食魔 (しょくま) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 36.911 caratteri · 74 schermate
自分がもしそれを持ったなら、まるで、変り羽毛の雛鳥のように、それを持たない世間から寄って蝟って突き苛められてしまうではないか。弱きものよ汝の名こそ、まこと。自分にそういうものを無みし、強くあらんがための芸術、偽りに堪えて慰まんための芸術ではないか。歌人の芸術家だけに旧臭く否味なことをいう。道徳かぶれの女学生でもいいそうな芸術批評。歯牙に懸けるには足りない。
鼈四郎はこう思って来ると夫妻の権威は眼中に無くなって、肩肘がむくむくと平常通り聳立って来るのを覚えた。「はははは、まこと料理ですかな」
車が迎えに来て、夫妻は暇を告げた。鼈四郎はこれからどちらへと訊くと、夫妻は壬生寺へお詣りして、壬生狂言の見物にと答えた。鼈四郎は揶揄して「善男善女の慰安には持って来いですね」というと、ちょっと眉を顰めた夫人は「あれをあなたは、そうおとりになりますの、私たちは、あの狂言のでんがんでんがんという単調な鳴物を地獄の音楽でも聞きに行くように思って参りますのよ」というと、良人の画家も、実は鼈四郎の語気に気が付いていて癪に触ったらしく「君おれたちは、善男善女でもこれで地獄は一遍たっぷり通って来た人間たちだよ。