Classici giapponesi con furigana
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げかしつ
高野聖
泉 鏡花
Leggi 高野聖 (げかしつ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 51.264 caratteri · 104 schermate
口上はいよいよ狼狽して、為ん方を知らざりき。見物は呆れ果てて息を斂め、満場斉しく頭を回らして太夫の挙動を打ち瞶れり。
白糸は群れいる客を推し排け、掻き排け、
「御免あそばせ、ちょいと御免あそばせ」
あわただしく木戸口に走り出で、項を延べて目送せり。その視線中に御者体の壮佼あり。
何事や起こりたると、見物は白糸の踵より、どろどろと乱れ出ずる喧擾に、くだんの男は振り返りぬ。白糸ははじめてその面を見るを得たり。渠は色白く瀟洒なりき。
「おや、違ってた!」
かく独語ちて、太夫はすごすご木戸を入りぬ。
三
夜はすでに十一時に近づきぬ。磧は凄涼として一箇の人影を見ず、天高く、露気ひややかに、月のみぞひとり澄めりける。
熱鬧を極めたりし露店はことごとく形を斂めて、ただここかしこに見世物小屋の板囲いを洩るる燈火は、かすかに宵のほどの名残を留めつ。河は長く流れて、向山の松風静かに度る処、天神橋の欄干に靠れて、うとうとと交睫む漢子あり。
渠は山に倚り、水に臨み、清風を担い、明月を戴き、了然たる一身、蕭然たる四境、自然の清福を占領して、いと心地よげに見えたりき。