Classici giapponesi con furigana
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まと
魔都
久生 十蘭
Leggi 魔都 (まと) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 293.999 caratteri · 578 schermate
殊に日興の傘下にある関東土木倶楽部の一方の旗頭、野毛山鶴見組の一味が今朝ほど帝国ホテルも間近い日比谷公園で何か立騒いでいたということもある。これだけでは当事もないが、もしそれが事実だとなると、こちらには三千に余る命しらずを擁する関東組の元締、道灌山の大親分がついている。どうせ血を見ずには治まらぬのである。
七人寄って文珠の智慧もなく、空しく腕を拱いているところへ、駒形伝次が血相を変えて帰って来た。野毛山の一派、武州小金井に繩張りを持つ、安亀事安井亀二郎が、「唄う鶴の噴水」の会場で騒ぎを起し、そのドサクサに紛れて皇帝を攫って行ったという密告を幸田から貰い、飛ぶように駆け戻って来たのである。
伝次はモーニングの膝をキチンと折って畏まり、キッと林を睨むようにしながら、
「ありようは、只今申しあげたとおりでござんすが、そのほかにも何か安直じゃねえ筋合があるらしく、妙に気を持たせるんでございます。どうせきたねえ奴らのこッてすから、吐かせるのは訳のないことでございますが、ともかく、先にこれだけをお耳に入れようと思いまして、スッ飛んで帰って来たんでございます」
この辺のことは諄く述べる必要はあるまい。