Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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まと

魔都

久生 十蘭

Leggi 魔都 (まと) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 293.999 caratteri · 578 schermate

Aozora Bunko

をしっかりと握り込んで日ごと毎日煽情的な思い付きを考え出しては全紙面を埋めた。

青銅の鶴が噴水の水とともに優雅な曲奏で歌を唄うというのは何にしても珍しい出来事に相違ないから、「唄う鶴の噴水」に対する市民の人気は弥が上にも昂まり、親しくその歌を耳にしたいと願う市民は我れも我れもと日比谷公園に押しかけ、噴水の鶴のいる池の周りは未明から日没まで身動きもならぬほどの雑沓。さすがに屋台店こそ出ぬが、公園の四つの門の前には売子が蒼蠅く鈴を鳴らしながら夕陽新聞の呼び売をする。

前にも述べたようなわけ柄で、この「唄う鶴の噴水」事件は夕陽新聞の独占になってしまったから、それに就いて詳細を知り度いと望む者はこの新聞に求める以外に方法はない。一時間毎にサイド・カーで運ばれる山のような夕陽新聞はまたたく間に売切れるという盛況。このために存在さえ知られなかった夕陽新聞は一躍跳ね上って今やその発行部数は万を以て数えられるようになった。

今日のこの行進は愈々以て高潮した市民の好奇心をもう一ト煽り煽り立て、急速に膨張した夕陽新聞の地盤を確固不動なものにしようという、社長兼編集長、幸田節三の秘策中の秘策で、その名も芽出たい「鶴の子石鹸」