Classici giapponesi con furigana
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わし
鷲
岡本 綺堂
Leggi 鷲 (わし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.476 caratteri · 290 schermate
又次郎も友達に誘われて、その門を五、六回もくぐったことがあった。そのあいだに、良英はある日こんなことを話した。
「世にいう狐憑きのたぐいは、みな一種の乱心者である。狐は人に憑くものだとふだんから信じているから、乱心した場合に自分には狐が憑いているなどと口走るのである。したがって、乱心者のいうことも周囲の影響を受ける場合がしばしばある。たとえば、あるところで大蛇が殺されたとする。その大蛇はおそらく祟るであろうと考えていると、そのときにあたかも乱心した者は、おれは大蛇であるとか、おれには大蛇が乗り移っているとかいうようなことを口走る。そこで、周囲の者もそれを信じ、それを恐れて、大蛇を神に祭るなどということも出来するのである。」
又次郎は今その講義を思い出した。お蝶もそれと同様で、かれはこの頃にわかに乱心した。それがあたかも鷲撃ちの時節にあたって、周囲の者がしきりに鷲の噂をしている。一昨年以来撃ち洩らしている尾白の大鷲の噂も出たかも知れない。あれほどの大鷲は和田さんでなければ仕留められまいなどと言った者もあるかも知れない。ことにお蝶の姉は和田の屋敷に奉公している関係から、その両親はことしの鷲撃ちについて非常に心配している。