Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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わし

鷲

岡本 綺堂

Leggi 鷲 (わし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.476 caratteri · 290 schermate

Aozora Bunko

松島さんはまずそれを詮議しますと、鰻屋の亭主は頭をかいて、実はまだよくその身許を知らないというのです。今まで雇っていた職人は酒の上の悪い男で、五、六日前に何か主人と言い合った末に、無断でどこへか立去ってしまったのだそうです。すると、その翌日、片眼の男がふらりと尋ねて来て、こちらでは職人がいなくなったそうだが、その代りに私を雇ってくれないかという。こっちでも困っている所なので、ともかくも承知して使ってみるとなかなかよく働く。名は新吉という。何分にも目見得中の奉公人で、給金もまだ本当に取りきめていない位であるから、その身許などを詮議している暇もなかったというのです。

それを聞いて、わたくしはがっかりしてしまいました。松島さんもいよいよ残念がりましたが、どうにもしようがありません。二人は寒い風に吹かれながらすごすごと帰って来ました。

しかし、これで浅井秋夫という人間がまだこの世に生きているということだけは確かめられましたので、わたくし共も少しく力を得たような心持にもなりました。生きている以上は、また逢われないこともない。いったんは姿をかくしても、ふたたび元の店へ立戻って来ないとも限らない。