Classici giapponesi con furigana
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わし
鷲
岡本 綺堂
Leggi 鷲 (わし) di 岡本 綺堂 (おかもときどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 144.476 caratteri · 290 schermate
」
金兵衛はなんでもそれを兜の祟りに故事つけようとしているのであるが、勘十郎はさすがに大小を差している人間だけに、むやみに祟りとか因縁とかいうような奇怪な事実を信じる気にもなれなかった。
「そこで旦那。どうなさいます。その兜を又お引取りになりますか。むこうでは売るに相違ありませんが……。」と、金兵衛は訊いた。
「さあ。」と、勘十郎もかんがえていた。「まあ、よそうよ。」
「わたくしもそう思っていました。あんな兜はもうお引取りにならない方が無事でございますよ。第一、それを持って来る途中で、わたくしが又どんな目に逢うか判りませんからね。」
言うだけのことをいって、彼は早々に帰った。
三
下谷の坂本通りで善吉を斬ったのは何者であるか、このごろ流行る辻斬りであろうというだけのことで、遂にその手がかりを獲ずに終った。主人をうしなった善吉の家族は、店をたたんで何処へか立退いてしまったので、兜のゆくえも判らなかった。おそらく他の諸道具と一緒に売払われたのであろうと、金兵衛は言っていた。
それから四年目の慶応二年に、隠居の勘十郎は世を去って、相続人の勘次郎が名実ともに邦原家の主人となった。