Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おうごんひょう

黄金豹/妖人ゴング

江戸川 乱歩

Leggi 黄金豹/妖人ゴング (おうごんひょう) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 153.404 caratteri · 307 schermate

Aozora Bunko

午後十時

午後十時

それから武夫君は、おとうさんの寝室へいって、今のことをしらせましたが、ちょうどそのとき、寝室の机の上の卓上電話のベルが、リリリリリ……と、なりだしました。

園田さんが、受話器をとってききますと、相手は、まったくききおぼえのない、しわがれ声で、恐ろしいことをいうのでした。

「きみは園田さんのご主人だね。こちらはごぞんじの黄金豹だよ。ハハハ……、人間みたいに口のきける、千年の魔豹だよ。ところで、二、三日のうちに、あれを、ちょうだいにいくと約束しておいたね。きょうはまだ二日めだが、いよいよ今晩にきめたよ。せいぜい用心したまえ。きみがいくら用心しても、おれは、かならず盗みだしてみせるよ。時間は午後十時かっきりだ。十時をすぎても盗みだせなかったら、おれの負けだ。しかし、おれは、けっして負けないよ。それじゃ、あばよ。」

そして、こちらが、なにもいわないうちに、電話がきれてしまいました。

「たいへんだ。すぐみんなを呼んでおくれ。今夜十時に、あいつがやってくるというんだ。」

おとうさんのいいつけで武夫君は、うちじゅうをかけまわって、それをしらせました。すると、ふたりの会社員、ふたりの書生、五人の警官と、助造じいさんが、園田さんの寝室の日本間へ集まってきました。