Classici giapponesi con furigana
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こくしかんさつじんじけん
黒死館殺人事件
小栗 虫太郎
Leggi 黒死館殺人事件 (こくしかんさつじんじけん) di 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 296.741 caratteri · 584 schermate
それから、しばらく仮睡んでから眼が覚めて、さて枕元の時計を見ようとすると、どうした事か、胸の所が寝衣の両端をとめられているようで、また、頭髪が引っ痙れたような感じがして、どうしても頭が動かないのです。平生髪を解いて寝る習慣がございますので、これは縛りつけられたのではないかと思うと、背筋から頭の芯までズウンと痺れてしまって、声も出ず身動ぎさえ出来なくなりました。すると、背後にそよそよ冷たい風が起って、滑るような微かな跫音が裾の方へ遠ざかって行きます。そして、その跫音の主は、扉の前で私の視野の中に入ってまいりました。その男は振り返ったのです」
「それは誰でした?」そう云って、検事は思わず息を窒めたが、
「いいえ、判りませんでした」とクリヴォフ夫人は切なそうな溜息を吐いて、「卓上灯の光が、あの辺までは届かないのですから。でも、輪廓だけは判りましたわ。身長が五呎四、五吋ぐらいで、スンナリした、痩せぎすのように思われました。そして、眼だけが……」と述べられる肢体は、様子こそ異にすれ、何とはなしに旗太郎を髣髴とさせるのだった。
「眼に※(感嘆符疑問符、1-8-78)」熊城はほとんど慣性で一言挾んだ。