Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
「その美貌をわたしに売ってください」
「何んですって! 何をおっしゃるんです」
「それをわたしに使わせてください」
「…………」
「あなたを仕込んであげましょう」
「あなたはいったい誰なんです」
「一芸のある人間や、特色のある人間を集め、仕込んでやるという道楽を持った、そういう女なのでございますの」
「でもどういうお方なのです?」
「こんなことの出来る人間なのですよ」
云い云いその女は懐中へ手を入れた。
小次郎は思わず首をちぢめた。
何か飛んでもない恐ろしいものでも引っぱり出されはしないだろうかと、そう思ったからである。
女の取り出したのは一枚の紙で、引き裂くと観世縒りを縒りだした。
縒りが出来ると器用な手つきで、馬の形をつくり出した。
出来あがったところで草の上へ投げた。
と、どうだろう観世縒りの馬が、四足を動かして駈け出したではないか。
「あれあれ」
と小次郎は頓狂に叫んだ。
「観世縒りの馬が走り出した。これは不思議だ、生きて動き廻る!」
女は今度は観世縒りで、人間の形をこしらえた。
そうしてそれを抛りだした。
観世縒りの人間は走る馬を追って、自分も一散に走って行き、追いつくとその背へ飛び乗った。