Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
こうしてこの一群の立ち去った後は、嶮しい山と急流い渓川とで、形成られている十津川郷の、帯のように細い往来には、人の影さえまばらであった。
この日も暮れに近づいた頃、戸野兵衛の館の門を、数人の山伏が訪ずれて、
「これは三重の滝に七日うたれ、那智のお山に千日こもり、三十三ヵ所を巡礼いたすところの、山伏の身にござりまするが、路に迷いこの里に出でましてござる。一夜の宿をおかしくだされ」
と、難渋した態に申し入れた。
婢女が奥へ通じたと見え、ひき違いに蓬生が現われた。
「わたくしの舅様すこし以前より、物の怪にでも憑かれましたか、乱心の気味にござりまするが、ご祈祷をしてくだされましょうか」
と云った。
「われわれ事は平山伏、祈祷しても験少のうござりまするが、あれに見えまする辻堂に休まれる、先達殿は若年ながら、効験第一のお人にござりますれば、お宿してご祈祷願われませ」
こう一人の山伏が云った。
「まあまあそれは何よりのこと、では早々その御坊を……」
こうして九人の山伏が、戸野兵衛家の客となったが、これは大塔宮のご一行で、光林房玄尊、赤松則祐、木寺相模、岡本三河房、武蔵房、村上彦四郎、片岡八郎、平賀三郎の人々であった。