Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
「そうか」
と、いうと大弥太は、急にヌッと立ちあがった。
この夜呉服は自分の部屋で、一人物思いにふけっていた。
若い美貌の先達によって、自分を可憐と云われたことが、嬉しく思われてならないのであった。
恋盛りともいうべき十八歳だのに、これまで呉服は、一度として男を恋したことがなかった。
父なる竹原入道の、家庭教育の厳格さが、あずかって力あるのではあったけれど、呉服その人の心持ちが、真面目で無邪気で清浄であるのと、呉服の恋心に叶うような、相応した相手がなかったからであった。
そう、呉服その人は、美しく、気高く、智徳にも優れた、いわば理想的男性を、恋人として求めていたのであった。
でも、これはいうまでもなく、呉服という一人の女ばかりが、特に持つところの傾向ではなくて、若い思春期の処女でさえあれば、誰でも持つところの傾向なのであるが、それが呉服には特に烈しかったのであった。
そういう呉服の眼前へ、忽然あらわれた若い先達は、まことにその理想的の男性なのであった。
しかもその人は法の力で、一族の戸野の小父様の病気を、須臾の間に全治させたのであった。
恋心の上に尊敬の心が、加わり積もらざるを得なかった。