Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
雪なだれの音らしい。
ノビて動かない大弥太の体を、蔽うようにして立っているのは、巨大な松の老木であったが、やがて、その枝がユサユサと揺れて、大弥太の体へ雪の束を、間断なく落として来た。
木の股に大きな雪達磨がいて、蛍火のように緑色の眼を、二点鋭く光らせていた。
それは純白の猩々であった。
猩々卯ノ丸の落とす雪に、大弥太の体は埋ずもれようとしている。
この頃、二つの人影が、この方角へ近寄って来た。
「姥よ、参った。寒くてたまらぬ」
「暖め合って行こうではないか」
鬼火の姥と範覚とであった。
「こんな時にも、そんな言葉か」
「フ、フ、フ、あたため合って行こうぞ」
「そのカサカサした枯れ木のような肌でか」
「贅沢云うな、女の肌じゃ」
「どこか起こして泊まろうではないか」
「泊まるもよいが先もいそがるるよ」
「や」
と、範覚は足を止めた。
「姥見な、行き仆れじゃ」
「不愍やな、旅人らしい」
「うっちゃっても置かれまい」
「先が急がるる、捨てて行きな」
「その無慈悲、わしゃ嫌いじゃ」
範覚はヒョイと腰をかがめ、大弥太の額へ手をふれた。
「冷え切っていようの、うっちゃって行こう」
「うんにゃ、ヌクヌクじゃ、まだ暖かい」