Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
「あなた」
と早瀬は声をかけた。
「頼春様」
とおずおずと呼んだ。
彼女の姿は頼春の横の、足もとの辺へうずくまった。
「でも今日は殺人は、一人だけで済みましてござりますのね」
怨むような恐れるような、非難するような声であった。
「あなた様とご一緒になりましてから、あなた様にはまア幾人、人を手にかけ殺しましたことか」
「誰だ!」
と不意に頼春は云った。
怒りと憎しみとを底に持った、表面冷淡な声であった。
「わしに物を云いかける女、いったいそちは何者だ!」
「あなた様の妻、妻の早瀬」
「昔はそういう女房もあった。……が、その女房は良人を裏切り、良人の大事を舅へ告げ、良人を裏切り者にした筈だ」
「ああまたそれを……それをあなた様には……」
「その女は蝮を良人に噛ませ、良人を不具者にした筈だ」
「存ぜぬことでござりました。……そうしてそのことはもうこれまでに、幾度お詫びを申しましたことか……」
「その女は良人の良心を、地獄の苛責に逢わせようと、良人の殺した女の嬰児の、泣き声を不断に聞かせる筈だ」
「この子ばかりは……可哀そうに……もうすっかりわたしになついて……どうぞお許しくださりませ」