Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
た。
「……この日頃まめまめしく、よう呉服かしずいてくれた。……その誠心忘れはせぬ。……別れじゃ! ……が、命さえあれば……縁さえあればまた逢えよう。泣くな! ……呉服、健かにくらせ……」
宮家の御声も湿りを帯びておられた。
「宮様!」
と呉服は咽びながら云った。
「お別れとは! ……夢にも! ……このような! ……おおこのようなお別れとは!」
若い気高い美貌の先達と、そう思ってひたむきに恋した人が、雲の上人も雲の上人、尊い宮様であったとは!
しかるにどうだろう、その宮様に、朝夕お仕えすることが出来、ご寵愛をさえ蒙ったとは!
(女の身としてこれ以上の誉れ、これ以上の幸福はありはしない!)
こう思って呉服は身も心も、捧げつくしてお仕えした。
その宮様と兄達の裏切りや、一族の大弥太の裏切りからして、このようにあわただしくこのように飽気なく、お別れしなければならなくなったとは!
お別れ申し上げた宮様の前途が、はたして幸福でご安泰であろうか?
いや、いや、いや、そうではない!
行く手には敵や艱難が牙を磨いで待っている。
(どうしてやれよう、どうしてお別れ出来よう!)