Classici giapponesi con furigana
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あさひのよろい
あさひの鎧
国枝 史郎
Leggi あさひの鎧 (あさひのよろい) di 国枝 史郎 (くにえだしろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 239.520 caratteri · 475 schermate
「神の界に属しまつる御一方に――大塔宮護良親王様に、許すとの御言葉うけたまわり、裏切り者の※悔、心を浄めて真人間になろうぞよ! ……わしの裏切りから無念に死んだ、土岐十郎頼兼殿も、多治見ノ四郎二郎国長殿も、今夜限り草葉の蔭にて、わしを責むることなくなるであろうぞ! ……この年月いかに二人の、怨みと怒りと嘲りと、憐愍とに充ちた死前の顔が、わしの心眼に見えたことか! ……が、それとても今夜限りじゃ! 早瀬!」
と頼春は早瀬の方へ、痩せた、青褪めた、垢じみた、髭ぼうぼうとした不具の顔を、月光に照らして振り向けた。
笑ったと見えて唇がほころびたが、悪食が祟ったためであろう、上下の前歯がことごとく脱けて、口はうつろな洞のようであった。
「嬉しいぞ早瀬、嬉しいぞ!」
「あなた!」
と早瀬は顔の垂れ布を片手でかかげて、頼春の顔を、涙いっぱいの眼で見詰めたが、
「その時こそは妾の罪をも――あなた様を裏切りいたしました、わたしの罪をもあなた様には……」
「おお許すとも、許さで置こうか!」
「では明日からは昔ながらの……」
「また夫婦じゃ! 愛し合う夫婦じゃ!」
「それでこそ早瀬は救われまする! ……救いの神様へ、宮様御許へ!」