Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

あるはいまつのどくはく

ある偃松の独白

中村 清太郎

Leggi ある偃松の独白 (あるはいまつのどくはく) di 中村 清太郎 (なかむらせいたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 132.905 caratteri · 262 schermate

Aozora Bunko

――俺には何だか彼が、楽しそうでもあるし、苦しそうでもあり、嬉しそうにも見えれば、時にはまた哀しげにさえ思われた。「そうか、そうか!」などと、きおい立ってうなずくのは、おおかた新らしい感じを受け取ったか、疑問が解けたか、あるいは画の欠点を見きわめ得たか……そうした場合であるらしかった。

ともあれ彼の心眼が、どれほどずつか俺の胸の奥を照らし出して、それを理解し、表現しようと、懸命に骨折っているということは、俺にもよくわかる気がした。また実際、時々チラと垣間見る彼の絵には、大岩に寄りすがった俺の全身を中心として、霧に煙る雪田が、上半に大きく描き出されてあり、そこに俺の姿勢の必然さも、おのずと物語られているかと思うばかりであった。

これは昨日来、俺の心ひそかに願っていた通り、と言ってもいいはずであるのに、同時に俺は、初めて自分の姿を鏡に映して見せられた――というより、何かしらんそれ以上の、一種の驚きに打たれてしまったのは事実だ。

「フーム……あれが、この俺なのか?」

思わず俺は、うなるように独りごちていた――

「なるほど、美しいといえば、美しいものだナァ!……え、何だと? 誰だ、(それ見ろ)なんて言ったのは?……これはうぬぼれなんかとは、わけが違うぞ! 俺のおいぼれ姿が、よく描けたものよ、と感心しているところだ。