Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あるひのれんげつに

ある日の蓮月尼

岡本 かの子

Leggi ある日の蓮月尼 (あるひのれんげつに) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.878 caratteri · 25 schermate

Aozora Bunko

鉄斎 ――え――その一人友人が陶器を欲しいと云うのです。

蓮月 ――あなたのお友達? それでわたしの陶器が欲しいの?

(蓮月、はじめて首を振り向け鉄斎と亀田を見る。亀田、周章ててお辞儀をする。)

蓮月 ――ほほほほほ。鉄斎さん、あなたまたわたしの云い付けを破りましたね。お友達の方は陶器が欲しいのじゃ無くて、この坊主頭の女を見物に来たのでしょう。

鉄斎 ――申訳がありません…………。

蓮月 ――まあ折角連れていらっしたのですから、縁側でなりと休んでお出でなさい。

(亀田はすっかり恐縮して、お叩頭ばかりしながら鉄斎と縁の端にかたくなって腰掛ける。二人はしばらく手持ち無沙汰の様子。蓮月はまた工作にもどる。しばらく轆轤台の軋る音だけが春昼の閑けさの中に耳につく。亀田と鉄斎がひそひそ咄を始める。段々声音が高くなる。)

亀田 ――一言ぐらい宜さそうなものだ。

鉄斎 ――さっきあれほどいかんと言ったじゃないか。

亀田 ――でも折角――。

鉄斎 ――いかんいかん。

(蓮月、振り向いて)

蓮月 ――何を云い争って居るんです。

鉄斎 ――いえね。この男が何かあなたにお訊ねしたいというんです。