Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おせん

おせん

邦枝 完二

Leggi おせん di 邦枝 完二 (くにえだかんじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 74.074 caratteri · 148 schermate

Aozora Bunko

「何の御用か存じませんが、一刻も早くお師匠さんにお目にかかって、お願いしたいことがあると、それはそれは、急いでおりますんで。……」

「はァてな。――何んにしても、来たとあれば、ともかくこっちへ通すがいい」

藤吉が、あたふたと行ってしまうと、春信は仕方なしに松五郎の前に置いた下絵を、机の上へ片着けて、かるく舌うちをした。

「飛んだところへ邪間が這入って、気の毒だの」

「どういたしやして、どうせあっしゃァ、外に用はありゃァしねえんで。……なんならあっちへ行って待っとりやしょうか」

「いやいや、それにゃァ及ぶまい。話は直ぐに済もうから、構わずここにいるがいい」

「そんならこっちの隅の方へ、まいまいつぶろのようンなって、一服やっておりやしょう」

ニヤリと笑った松五郎が、障子の隅へ、まるくなった時だった。藤吉に案内されたおこのの姿が、影絵のように縁先へ現れた。

「師匠、お連れ申しました」

「御免やすえ」

「さァ、ずっとこっちへ」

欝金の包を抱えたおこのは、それでも何やら心が乱れたのであろう。上気した顔をふせたまま、敷居際に頭を下げた。

「こないに遅う、無躾に伺いまして。……」