Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
かげろうのにっき
かげろうの日記
堀 辰雄
Leggi かげろうの日記 (かげろうのにっき) di 堀 辰雄 (ほりたつお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.890 caratteri · 60 schermate
せたのだろう。ああ、何だか物々しい事になってしまいそうな、――と思いながら、ともかくもそうなったらそれまでと、湯の事を急がせて、御堂に上った。
暑かったので、しばらく戸を押しあけて眺めやっていたが、此処は丁度山ぶところのようなところになっていると見える。周囲にはすっかり小さな山々が繞っていて、それらが数知れぬような木々に覆われているらしいけれど、生憎月がないので、殆ど何も見わけられない……
そうやって戸を押しあけたまま、御堂で初夜を行っているうちに、何時なのだろうかしら、時の貝を四つ吹くほどになった。そのとき急に大門の方に人どよめきがし出したので、巻き上げていた簾を下ろさせて透して見ていると、木の間から灯がちらちらと見えてくる。やっぱりあの方は入らしったのだ。
門のところまで、道綱は急いで御迎えに出て往ったらしかった。やがて戻ってきて、あの方が車にお立ちになったままで「御迎えにやって来たのだが、生憎きょうまで穢れがあるので、車から下りられない。何処かに車を寄せる所はないか」と仰ゃっていると取り次いだが、私はそれには全然とり合わずに、「何をお考えちがいなすって、そんな向う見ずな御歩きをなさいます。