Classici giapponesi con furigana
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かげろうのにっき
かげろうの日記
堀 辰雄
Leggi かげろうの日記 (かげろうのにっき) di 堀 辰雄 (ほりたつお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 30.890 caratteri · 60 schermate
その四
と口を衝いて出たままを口の中で繰り返し繰り返ししていた。そうしてとうとうその儘、そんな臥所でもない所で、私はその夜はまんじりともせずに過ごしてしまった。
その四
去年の春、呉竹を植えたいと思って人に頼んでおいたら、それから一年も立ったこの二月のはじめになって漸っと「さし上げますから」と言ってきた。「いいえ、もう少しも長らえたいとは思えなくなりました此の世に、何でそんな心ないような事をして置けましょう」と私がことわらせると、「まあ、大へん狭いお心ですこと。あの行基菩薩は行末の人の為めにこそ、実のある庭木はお植えなされたと申すではありませんか」などと言い添えて、その木を送ってよこしたので、つい私もそれに気もちを誘われるがままに、「そう、此処はこの上もなくふしあわせな女の住んでいた所だと、見る人は見るがいい」と思って、胸を一ぱいにさせながら、それを植えさせた。
それから二三日して、雨がはげしく降り、そのうち東風までも吹き加わって来たので、あの呉竹はどうなったかしらと思って見やると、もうそれは二三本傾いてしまっていた。早く元のようにしてやりたいと思いながら、雨間を待っているうちに、しかしこう云う自分だって、何時その行末はこんな思いがけないような事になるかも知れないのにと、またしても例の物思いをし出そうとしている自分