Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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こどもふどき

こども風土記・母の手毬歌

柳田 国男

Leggi こども風土記・母の手毬歌 (こどもふどき) di 柳田 国男 (やなぎたくにお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 142.761 caratteri · 278 schermate

Aozora Bunko

七、伝承者ということ

七、伝承者ということ

近ごろの童謡や童詩とはちがって、手毬歌には見たこともないような遠くの土地を歌ったものがある。もともと空想の美しさを楽しもうとする歌なのだから、京都でも江戸でも、また大阪でも、そこの住人よりは、むしろまだ来て見たことのない村里の子どものほうが、色々と取りはやし、または少なくとも聴いて忘れずにいてくれたのである。もしも鎌倉が近いころまでのような、淋しいただの田舎になっていたならば、このような手毬歌は生まれようはずがない。だからこの歌のできたころには、まだこの土地が繁昌していて、あるいは今よりももっと花やかな、都についでの文化の一中心であったことが考えられる。文部省から出ている『俚謡集』という本の中には、たしか伊豆半島の物搗歌として、鎌倉を詠じた民謡が三つ四つ出ており、つぎのようなおどけたものもその中にはまじっている。

鎌倉では女がないとて

猿に夜麦をつゥかせる

猿が三びき、手杵が三本

どォれも緞子の前掛で

しかし、伊豆ならば頼朝の覇府にちかく、また北条氏ともふかい関係があった。そこに昔なつかしい鎌倉の歌が、大事に保存せられていたとしてもふしぎはない。