Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
だいこん
だいこん
久生 十蘭
Leggi だいこん di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 153.732 caratteri · 303 schermate
パパの横顔がびっくりするほど蒼かった。あたしはおどろいて逃げだした。
ヴェランダから庭へおりて噴水盤のそばへ行くと、おチビさんが芝生へすわって、膝へお重を載せてひっそりとお夜食をしていた。
「おチビさん、ひとりなの」
おチビさんは特有のしずかな声でいった。
「あたし、いつだってひとりよ」
ほんとうにこのひとはいつもひとりだ。支配人と家庭教師だけがこのひとの〈肉親〉だ。きめられた日のほか、じぶんの兄のところへも遊びに行けない。あたしはおチビさんのそばへ足を投げだしてすわった。
「おチビさん、おいしそうだね」
「ちっともおいしくないわ。でももうそろそろはじまるんでしょう。いまのうちに食べておかないと」
あたしがたずねた。
「おチビさん、あなた知っていたの」
おチビさんがうなずいた。
「長謙がいったわ。お前とおれはたぶんべつべつに死ぬことになるだろうから、そのつもりでいなさいって。長謙は珠子さんといっしょに死にたいのよ」
「死ぬときはどうしたってべつべつさ」
「そのことならなんとも思っていないわ。ただアメリカ人に殺されるんだったらどんなにいいだろうと思うのよ。日本人に殺されるの、情けないわ」