Classici giapponesi con furigana
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だいこん
だいこん
久生 十蘭
Leggi だいこん di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 153.732 caratteri · 303 schermate
当分のあいだ、ご朝食に降りてきませんけど、どうかご心配なく」
本から眼もはなさずにママがいった。
「誰が心配なんかするもんですか。あなたこのごろすこし召しあがりすぎるようですから、すこしおひかえになるほうがいいわ」
「どうもありがとう」
「なにかまだおっしゃることあるの」
「いいえ、これだけです」
「そんなら早く行ってお泣きなさい」
戦争で人が死ぬのは、秋になると葉が落ちるようなもので一種の自然現象にすぎない。いまさらジタバタしたってどうにもならない。ちゃんと覚悟はできているのだけど、馴れないことってのはどうもうまくいかない。身体がへんにピクピクしてしようがない。いくら原子爆弾だって椅子に掛けて待っていてやるほどのことはないと思ってスラックスのままベッドへ入りこんだら、子供なんてたあいのないもので、いつの間にか眠ってしまったのだとみえ、眼をあけたら完全な朝になっていた。
ハムレットはデンマルクの陰気な宮殿で、〈死は……眠りにすぎぬ。おそらく夢を見よう〉と独白する。あたしにとっても今夜こそ眠り=死で、もう朝の景色なんか見ることはあるまいと観念していたんだが、ちゃんと朝になってお腹がすいているのにはおどろいた。