Classici giapponesi con furigana
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ちくしょうだに
ちくしょう谷
山本 周五郎
Leggi ちくしょう谷 (ちくしょうだに) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 69.788 caratteri · 138 schermate
御用林の仕事でも、山道の整備でも、監視され指図をされない限り、なに一つすすんでしようとはしないのである。
「私はそれを四十年も見てまいりました、もちろん、そのあいだずっと、かれらのために力を尽したとは云いません」老人は自分の右手をみつめた、「――正直に申せば、しんけんに、うちこんでやった期間は、前後十年くらいのものだったでしょう、それも、松の木に桃の実をならせようとするようなものだ、と思って投げだしたり、いや、万里の長城も人間の築いたものだ、とふるい立つといったようなぐあいでした」
こごさが娘を産み、名をゆきとつけた。こごさの父親が死に、母親が死んだ。そのときから自分は正内と名のり、娘のゆきの教育に専念した。また一方では木戸にはたらきかけ、罪人でない者を解放し、領内で新しい生活ができるようにしてもらいたい、と繰り返し願い出た。木戸へ来る番頭の中に、一二同意する者があり、城下の役所と折衝のうえ、「希望する者があったら申出るように」というところまでこぎつけたこともあった。
「これはまえにいちど申上げましたな」老人は炉へ焚木をくべた、「――村の者がどうしたかはあのとき申しました、里へおりようと云う者が一人もありません、尤も、これも申上げたと思うのですが、男は十七八になるとたいてい山ぬけをしますから、村に残っている