Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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つぼみ

つぼみ

宮本 百合子

Leggi つぼみ di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.918 caratteri · 44 schermate

Aozora Bunko

こないだ、雨の降る日に茶色のたまらなく私のすきな壺を借りて来ようと思って行った時に「今どこに居らっしゃるんでしょう」ってきいたら、

「神戸に行ってるんです。貴方にだまって行くって気にしてましたっけが急で用事ばっかり沢山あったんで自分でも思う様に出あるけなかったもんですから……」

こんな返事をした。

帰ってからも丈夫でさえ居るんならどこに居たってかまわないとは思うけれ共何となく不安心なあの人の身の上に変った事が起ったんじゃああるまいかと思われた、思い出すとやたらに気になって翌日も翌日も幾日頃帰りますって伯父さんのところへききに行った。そのたんび私ははっきりしない返事に業をにやしては帰って来た。私の心の中には彼の人の事がいっぱいになってしまった。いつもの癖だとは思っても、どうしてもまぎらす事が出来なかった。

それでも学校にはたしかに行って居た。二十二日の日に四時頃私は黒い包を抱いて縞の着物を着て学校の前から電車にのった。

こんで居たんで私は一番車掌台のそばにおっこちそうになってのって居た。人と人との袂の間からのぞいて居る、女の手が妙に私の目を引っぱる力をもって居た。