Classici giapponesi con furigana
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ととやぜんたん
とと屋禅譚
岡本 かの子
Leggi とと屋禅譚 (ととやぜんたん) di 岡本 かの子 (おかもとかのこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5874 caratteri · 12 schermate
――いや、まことに生臭坊主で」
僧は流石に笠を冠って大門の中へ入って行った。国太郎の心には不思議なものが残った。
四
引手茶屋山口巴から使を出して招んだ得意客を待受け、酒宴をして居ると夕暮になった。
相変らず酒宴の座を一人持ち切りで掻き廻している魯八の芸も今は国太郎にはしつこく鼻についた。さっき見た雲水僧の言葉態度が妙に心に引っかかっていた。やがて提灯に送られて、国太郎の連中はK――楼へ入った。K――楼に入ると直ぐに楼の女から雲水僧の到着を聞かされたので、国太郎の全身は殆ど僧に対する一つの探求心になって、客たちを成るたけ早く部屋々々へ引き取らせ、自分は馴染の太夫の部屋に起きていて終夜、魯八を間者に使って雲水僧の消息を一々探り取らせた。
魯八の諜報に依ると、雲水僧は登楼して以来、普通の遊客と少しも違わぬコースを取った。それには僧は一々、相手方の女に問い訊しては、事を運ぶのであった。あまりに僧が子供のように色里の客になる態度を、人に正直に聞くので、それが可笑しいとて忽ち楼中の評判になった。しかし、僧の相手になった女は、また余りにその僧の初心な態度に、どうやら其の僧が好きになった様子で何くれとなく親切にもてなしつつあった。