Classici giapponesi con furigana
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ふしぎなひと
ふしぎな人
江戸川 乱歩
Leggi ふしぎな人 (ふしぎなひと) di 江戸川 乱歩 (えどがわらんぽ) in giapponese con furigana. JLPT N4. Tocca una parola per il significato.
N4 · base · kanji e kana moderni · 44.138 caratteri · 89 schermate
それを、今夜の十時きっかりに、ぬすみ出してみせるというのです」
「そんなばかな。そんなことができるはずはありません。わたしたちがふたり、書生さんがふたり、うんてん手の栗田くん、それに、木村さんをくわえて六人です。六人が、このへやでがんばって見はっていれば、いくら、かいじん二十めんそうでも、ぬすみ出せるわけがありません」
「わたしも、電話で、そういってやったのです。すると、二十めんそうはせせらわらいました。そして、見はりが多ければ多いほど、おもしろい。いくら見はっていても、かならずぬすみ出してみせるといって、電話を切ってしまいました。まほう使いのようなやつですから、ゆだんできません」
木村さんは、青ざめた顔で、心配そうにいうのでした。
それから、六人の見はりが始まりました。だれも、へやを出るものはありません。六人とも、いすにかけて、じっと金庫を見つめています。
まどは、ぜんぶしめて、かけ金をかけ、二つのドアも、げんじゅうにしめて、中からかぎをかけてしまいました。
「しかし、木村さん。ほうせきは、たしかに金庫の中にはいっているのですか。もう、とっくに、ぬすまれているのではありませんか」