Classici giapponesi con furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Leggi みなかみ紀行 (みなかみきこう) di 若山 牧水 (わかやまぼくすい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 102.087 caratteri · 203 schermate
山路
一人の老爺と二人の若者とが其処の川原に榾火を焚きながら石を起し、砂を掘っていた。薄暮の様な深い日蔭が其処を掩い、流れの白い飛沫と榾火の煙との間に動いている三人の姿は如何にも寂しいものに私には眺められた。やがて其処に私が近づくと、二人は唄をやめた。老爺も背を伸してこの不意の旅客の通りがかりを見詰めた。私は帽子をとりながら、二言三言の挨拶を置いて足早に通り過ぎた。通蔓草とりの間に私の酒の酔はすっかり醒めていた。そして気味の悪い様な寒さと寂さが足の先までも浸みて来た。
山路
朝八時、案内者と共に白骨温泉を立つ。逗留二十日の馴染で宿の者は皆出て来て名残を惜んで呉れる。ことに今まで誰がそれだか気もつかなかった無口の内儀などは急に勝手許から飛んで来て、既に草鞋をつけて土間に立っている私の袂をとらえて、これは俺からあげるのだからと云いながら手拭やら煙草やら菓子包やらを無理強いに押し込んで呉れた。
送られて裏の脊戸口を離れると直ぐ切り立った崖の森となっている。嶮しい径にかかると其処には真新しい落葉が堆く積って、濡色をした美しい橡の実も沢山落ちていた。三四丁も登ると崖は尽きて山間の枯芒のなかをとろとろ降りに降ることとなった。