Classici giapponesi con furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Leggi みなかみ紀行 (みなかみきこう) di 若山 牧水 (わかやまぼくすい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 102.087 caratteri · 203 schermate
杜鵑を聴きに
其道へ折れたのであったが、さて行けども行けども森であり林であった。おりおり振り返って見ると、落葉の枝の網の目を透して遥かに遠く富士山の姿が望まれるばかり、他に何もなかった。流石に私も疲れ果てて、折から右手に折れる小径のあったを幸いそれを辿って、やがて落葉林を出はずれ、杉の林に入り、永い間そのうす暗い木下道を急いで降りて来ると漸く枯れなびいた萱草山の頂上に出た。
其処に来ると、久しぶりに遠望が利いた。やれやれと立って眺むると、其処の峰、彼処の襞、眼下の渓間と到るところにほのぼのとして暮れ残っている山桜の花が見渡された。
萱山を馳せ下ると、其処には下田街道の広い往還があるのであった。
(伊豆湯ヶ島にて)
杜鵑を聴きに
毎月一回、きまって東京から歌を見て呉れと云ってやって来るS―君が、今月十四日の夕方に来た。歌を見て貰うのも目的の一つではあろうが、一緒に一晩飲もうというたのしみが寧ろ大きいかも知れぬ。
その夜は子供たちのがやがやする私の宅の茶の間でとりあえず一杯飲むことにした。そして、明日は何処かへ出かけようという相談が二人の間に交わされた。土地の料理屋も珍しくないし、静岡まで延すか、それとも近くの長岡温泉にするか、裾野へ登って五竜園の滝を見るのもそろそろ時候がよくなった、と杯の重なるにつれて(その癖彼は四五杯も