Classici giapponesi con furigana
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みなかみきこう
みなかみ紀行
若山 牧水
Leggi みなかみ紀行 (みなかみきこう) di 若山 牧水 (わかやまぼくすい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 102.087 caratteri · 203 schermate
「じっきに出るのはよう解り切ってるのに、まだじゃまだじゃと吐しおって……」
「おなごの手じゃわい、そりゃ」
「ちょっとでも長う楽しもうと思うてけつかるのや」
屋根の下は急に賑わって来た。
桟橋を離れると前面の海に幾つかの島が見え出した。海に島が浮んでいると云うより、島に囲まれた海と云った方が適当か知れない。ぺたりと凪いで、池の様に静まっている。そしてその古池の様な海に瀬戸特有の潮流があらわな水脈となって流れておるのが見ゆる。奥から奥へと並んだ島々の蔭にかけて、その流はほの白う流れ渡っているのである。大小さまざまな船がまたそれらの島蔭に見えていた。上り下りの帆の向きの異っているのも馴れぬ眼には興深く眺められた。何百間かに亘る天然石に日蓮の寝像を刻みかけている牛が首島というのも、遠く近く垣の様につらなり渡った島の中にさし示された。
「ホウ、金毘羅参りが来居った」
一艘の帆前が綺麗に満艦飾を施しながらとある島の蔭から現われて来た。
「えらい静かなお参りや」
誰やらが云った様に、すれちがうまでに近づいてもその青や赤の新しい旗で飾り立てた船はただひっそりと走るのみで人影もろくに見えず話声ひとつ聞えなかった。